発達凸凹ちゃんの子を持つ同士。子供2人は、あふれるさんと・あふれないさん。
発達凸凹ちゃん達の親の会を立ち上げました。当時20年以上前の田舎では支援なんてほとんど期待できなかったので、母親は家族にさえ理解されずにみな孤独でした。母親が少しでも笑顔になって家庭に戻れるように!母親の笑顔が何より大事!そう考えて同士2人で立ち上げました。
本当にたくさんの方々に支えられ、たくさんの輪が広がって。泣いて笑ってそれぞれの家庭に戻って行く。
辛い気持ちを分かち合える。それだけでどれだけ救われてきたことか。
年代ごとに変わり増える悩み
無我夢中でやってきて、子供達も大きくなってきて。
年代ごとに次々と新たな悩みが出てきて、
それは定型発達と呼ばれる子たちも同様だと思うけど、
発達凸凹ならではの悩みもプラスされるので、情報交換がとにかく有難いのです。
小さい頃は自分で出来る事を増やそうと努力する。
家庭の中が居場所。親は孤独との戦いでもある。
外に出かける様になり、家族以外の存在を知る。
親子共ども、その対応も迫られる。
更に保育園・幼稚園。過ごす場所も変化してゆく。
家庭とは違う、そこでのルール。
いちいち細やかに教えてはくれない。
感じて学べ?そんなの無理ですから!
大きくなると同年代同士のコミュニケーションが必要となってくる。
なぜって、同年代同士を同じ箱に入れるじゃないですか。教室という箱に。
社会ではまずあり得ない環境。全員同い年の会社って。。。
同い年同士だけの箱の中という環境下で過ごす辛さ。
その辛さの中の暗黙のルールを感じることが出来ないと、変わっているとか言われるのですよ。
友たちからも保護者からも、更に先生たちからさえも。
悩みは100人いれば100通り
誰にでも言える悩みではなく、言っても理解してもらえない中で、
同じ「発達障害・自閉症スペクトラム」という子育ての悩みをもつ母親同士の交流の場。
たくさん出てくる悩みに100%の答えは出ないけど、
一人づつ悩みをみんなに伝え、それについてみんなが答えを探してゆく。
我が子とは違う環境や、それぞれの特性ならではの悩みに、
みんなが真剣に考えて伝えてくれる。
その中で 「我が子にも使えるかも!」 とヒントをもらえたり。
あふれるさん・あふれないさん
そんな多様な悩みの中を突き詰めていくと、
たどり着くのが 『あふれる・あふれない』問題です。
そもそも気質ですので、どうしようもなくて悩みが尽きないのです。
あふれるさん
あれもこれもどれでも何でもしたい!今すぐに!目に付くもの全て!!
気持ちがあふれて止まらないのさ。
あふれないさん
人が何してても気にならない。
自分のやりたい事だけを突き詰めてやりたいだけなのさ。
相反する2人。
お互いの悩み
あふれるさんは、じっとしていられない。
興味があると行っちゃう、言っちゃう。
行っちゃダメでも、言ってはいけない言葉でも。
多動傾向が強ければ、箱の中では生き辛くなってしまいます。
あふれないさんは、自分の興味以外に関心があまり無い。
したい事を黙々とする。人が何をしていようが。
そしてこだわりが強い。
だから集団で動く事がなかなか出来ないので、箱の中では生き辛くなってしまいます。
2人ともに結果は同じ。箱の中はしんどいんです。
その気質を認めてはもらえないから。
お互いに羨ましい
では、我ら同士はお互いにどう羨ましいか?
ご察しのとおりです。
あふれるさんは、一つの事に集中できる気質が羨ましい。
あふれないさんは、やりたい事がたくさんで羨ましい。
親同士の永遠の悩みです。
困りごとは山のごとく
ですが、ここであふれない母親からのこういう意見が多くあり、私も同じ意見なのですが。
そもそもあふれないと始まらなくない?
『始まらない問題』です。
更にあふれるさんには、薬を飲むと改善される・多動傾向を緩やかに出来る可能性があります。
ですが、あふれないさんは投薬ではあふれるようには出来ないんですよ。
あふれるさんの親は、『どれに絞ろうか?』
あふれないさんの親は、『興味を示すのは何なのだろうか?』
無いものを探す事から始める。ゼロスタートです。
しかし、あふれるさんはあれしちゃダメでしょ?と言われてしまう回数も多くなってしまうので、
叱られる事で 『自己肯定感が低くなる』場合も多くあります。
で、いつもこの同士の悩みは引き分け?となり、
聞いてもらえて少しスッキリしたような気持になって家庭に帰ってゆくのです。
でもまあ、スッキリもつかの間なんですけどね。
分かってもらうだけでイイ
ギュウギュウと押し込まれた箱の中で発達凸凹ちゃん達は、
今日も今も辛さと戦っています。
もちろん助けて欲しい。
でも、せめて分かって欲しい。
良くないとされる言動や行動には理由がある!と、いう事を。
理由があるのです。
親たちの願いは、まずはそこからなのです。
もしかしたら、険しく厳しい壮大な願いなのかもしれませんが、
少しでも理解が広がって、
ギュウギュウの箱が、大きな丸い球体になって、
みんな一緒にまとめて優しく包んでくれたら。。。イイなぁ。